前書き

 まず、これは『影で眠りし二人』等などとは一切関係ありません。

 原作『月姫』の四年後、『月姫2』のアルクェイドのトゥルーエンド後です。(マテ

 舞台はドイツ……黒い森≠謔閨A時は一月一日の元日です。

 少し小難しい内容……というか背景を捉え難いかもしれませんが、宜しければどうぞ。













起程














 吐く息は白く、肌を打つ風は冷たい。

 大地は白亜のベールに覆われ、踏みしめる足からは雪を踏む独特の音がする。

 黒っぽい針葉樹が多い森を歩くのは、一人の男だ。

 樹が作る影の色に似た、髪とダウンジャケット。ジャケットの首周りには、毛皮がついている。

 しかし、それ以上に目がいくのは男の顔だ。

 男は包帯のようなものを、両目に眼帯の如く巻いている。

 明らかに男の視界は包帯に遮られ、無い筈だ。だが、雪を踏みしめる足に迷いは無い。



「……………」



 吐く息はただ白く、森に響く音は雪を踏む音だけだ。

 やがて森の中に光が差し込む場所が見える。

 木々の隙間から覗く小さな光ではなく、かといって大きく開けた場所では無い。

 例えるなら………そう、スポットライトだ。

 自然に作られたスポットライトが、一人の女性を照らし出している。



「アルトルージュ=v



 冷めた声音を、男が吐いて視線の先の女性を呼ぶ。

 女性……いや、まだ14歳程の少女が振り向く。

 その動きに合わせて広がったのは、腰下まで伸びた黒髪と同色のドレスのスカート。

 男を捕らえた少女の瞳は、血のような深紅。

 人に根源的な恐怖を感じさせる瞳でありながら、酷く美しく……見る者を魅了する。

 しかし男は対して気にした様子も無く、歩調も揺るがさず少女に近付いた。



「いい加減に黒騎士≠撒くのは止めろ。一体、何度(オレ)が捜索隊に借り出されている思っている?」



 白い息と共に吐かれたのは、どこか疲れを感じさせる。

 しかし、男の言葉に少女は艶然と笑みを浮かべた。



「だが、いつも妾を見つけるのは其方(そなた)だな。志貴=v



 鈴を転がしたような流麗な声に、男は不機嫌そうに鼻を鳴らした。



「だから何だ? 白騎士≠熈殺人者≠焉A汝を追いはしない。

 汝に撒かれて慌てるのは、いつも黒騎士≠セ。
――――全く莫迦莫迦しい」



 男の言葉にクククと、少女は喉を鳴らす笑い声を漏らした。

 そして少女が、唐突な動きを見せる。

 舞い踊るような軽やかな動きで男との距離を詰め、少女に比べれば高い位置にある男の顔を見上げた。



「その物言い……七夜≠フ方か。まだ陽は高いのに珍しいな」



「そうでもない。此処に来る途中で教会≠フ代行者を始末したからな」



 静かで淡々とした言葉が、冷たい森に響く。

 少女の表情が途端に強張り、哀しげに曇った。

 それに気付いているのかいないのか……。男は口調を変えないまま、言葉を作る。



「たった10人だ。それも内八人は黒騎士≠ェ相手したが………」



「だが、二人とは戦ったのだろう?」



 感情が押し込まれた言葉に、男は何も言わなかった。

 ただジャケットを(ひるがえ)すように踵を返し、



「戻るぞ」



 素っ気無い言葉を作り、返答も聞かずに歩き出した。

 しかし、それはすぐに中断させられる。

 少女の細い手が、男のジャケットを握っているからだ。



「七夜=c…………」



 少女が何を言おうとしているのか、感情が希薄になっている今の男にはワカラナイ。

 だからこそ、男は何も言わずに少女の言葉を待った。それが(ずる)い選択だと知りながら…………。



「今日が何の日か憶えているか?」



「今日…………」



 最近は少しも気にしていないことだった。

 一日千秋という想いを日々味わっている所為か、年月を数えることを止めてしまったのだ。

 もう何十年も過ぎた気がするが、あの日………彼女≠殺した日から、まだ五年と経っていないだろう。



「憶えていない」



 全く憶えていないからこそ簡潔に………男は告げる。

 少女はそれに怒った様子も、呆れた様子も無い。

 ただ微笑し、男の背中から前へと移動して、包帯に覆われた男の目を見た。



「今日は、一月一日だ」



「あぁ……年が巡ったのか」



 少女の答えに、男は興味が無さそうな言葉を返す。

 この返答には不満があったのか、少女は男のジャケットの襟首を掴む。

 そして、一気に引き寄せた。



「ッ!」



 そこにどれだけの力があったのか………?

 答えは少女と男にしか知りえぬものだが、男は完全に身を屈めていた。

 二人の距離は近く、向き合わせた顔の鼻先が、今にも触れ合いそうに見える。

 しかし、互いに顔を逸らすような真似はしない。

 まるでそうしたら負けだと言うように、小揺るぎ一つしないで顔を突き合わせていた。



「そうだ七夜=c…年が巡ったのだ。

 極東の地………其方の故郷では、初詣≠ニいうものがあるらしいな」



「…………確かにある。しかし、それが如何した?」



 鈍い男だ、と少女は喉を震わせる笑い声を漏らした。



「七夜=c…共に初詣に行かぬか? 其方と妾の二人だけで」



 少女の言葉に、男は僅かに驚いたように見える。

 しかし、目を完全に覆っている包帯の所為でそれも良く分からない。



(オレ)にとっても、汝にとっても……………祈るべき神など居ないと思ったのだがな」



―――――――祈るべき神など居ない。

 神など太古よりも昔の時代に、この星に巣食っていた生命体の一種に過ぎない。

 それらが神≠ニして存在しているのは、人の幻想による………まさに幻≠セ」



「ならば何故、神に祈ることを望む?

 初詣≠ニは神を拝むことであることを、知らぬ訳ではあるまい」



「勿論だとも。しかし、極東の住人はもっと柔軟な考えを持っているかと思ったのだが………」



 吐息を一つ、少女が漏らす。白い霞のような息が、男の顔に当たる。

 吐く息は白かったが、紅い………血の匂いを感じた。



「風情を愉しむ………ということだ七夜=v



「風情、か」



「神に祈ったところで何も変わりはしない。そんなことは、誰もが分かっている。

 それでも人が初詣を行うのは、それが風情であり、一年の誓いだからだ」



 そこまで言うと、今度は少女が踵を返した。

 男の言葉を聞かずに歩くのは、先程の行為へのあてつけだろうか?

 ふぅ、と男は吐息を一つ。屈めていた体を起こし、立ち上がる。

 そして彼は前を歩く少女を追って、前へと踏み出した。………少女の小さな背を、見失わないように。










◆ ◇ ◆ ◇ ◆












 欧州にある国々の一つに、ドイツという国がある。

 そして、ドイツの南には黒い森(シュヴァルツヴァルド)≠ニいう森があった。

 丁度、フランスとスイスの国境に位置する広大な森は、雪化粧によって白く染まり、人々の呼ぶ名に反し、白い森と化している。

 そんな森から、一組の男女が現れる。20歳前後の男と、14歳程の少女だ。

 二人が雪の上を言葉も無く、粛々と歩き続け、黒い森℃辺にある村の一つに入っていく。

 道に人の影は無く、あるのは二人だけだ。

 ドイツは新年を知人と一緒にパーティをして過ごす場合が多く、人は家の中に引き篭もっているのだろう。



「あった!」



 弾んだ声が、少女から零れる。視線の先にあるのは、小さな教会だった。

 起伏の激しい黒い森周辺の地形の中で、唐突に開けたような平地に教会が浮き立つように立っている。

 鍵が掛かっていなかった教会の扉は無抵抗に開き、二人を中へと招き入れた。



「ほぅ、思いのほか綺麗だな。其方もそう思わぬか、七夜=v



 教会の静謐な空間の中央で、少女は軽やかに身を翻す。

 バックに十字架があり、その更に後ろには聖母・マリアの意匠が見事なステンドグラスが見える。

 勝手に入ってしまった訳だが、人が出てくる気配はない。

 どうやら本当に二人っきりのようだ。



「吸血鬼≠ニいうのは…………つくづく常識と違うのだな」



「くくく………十字架を見ると苦しむ、という奴か?

 それは途方も無い勘違いだ。大方、埋葬機関≠フ殺し屋たちに怯えた死徒でも見たのだろう」



 少女の横に男が並ぶ。包帯に覆われた顔で、十字架を……ステンドグラスを見上げた。

 少女はまず男を見て、両膝を付いて、両手を重ね合わせる。

 一枚の絵のように美しい姿だが、男は見向きもしないまま立って動かない。



「何を祈った? …………いや、何を誓った」



「気になるか?」



 一見あどけない瞳を男へ向けるが、包帯をした男には意味が無い。

 いや、それが無いにしても………男は少女のことを知っていた。誰にも知りえないほどに深く。

 同時に、少女も男のことを知っている。誰も知りえない…………深淵の底まで。


 何故なら二人は誰よりも近く、誰よりも遠い場所に居る……合せ鏡≠フような関係なのだから。



(オレ)≠ヘそうでもないが……俺≠ネら気にするだろうな」



 言葉に、少女は声を上げて笑った。



「そうだな。七夜(其方)≠ヘ気にせぬだろうが、志貴()≠ヘ気にするだろう。

 惚けた顔で、志貴≠ヘ核心を突く。アレはそういう男だからな」



「七夜≠ノ……志貴≠ゥ……言い得て妙だな」



「そうとも。妾以外、誰も其方をそう呼ばぬが………其方は二人なのだ。

 リィゾが好きなのは七夜≠セが、フィナが好きなのは志貴≠ニいう違いがあるように」



「前者に関しては認めよう。だが、後者に関しては否定したいな。特に……白騎士≠ノ関することは」



 男の言葉に、少女は微苦笑。

 床に付けていた膝を上げ、少女は再び男を見た。

 男は直立不動の状態であり、僅かに上げられた顔は十字架を、ステンドグラスを見るためだろうか?

 少女が知る限り、男に透視能力など無い。だから、包帯に覆われた瞳に映るものなど無い筈なのに。



「アルトルージュ=v



「何?」



「アルトルージュ・ブリュンスタッド=v



「何? 何が言いたいの七夜=v



「吾≠ヘ、何を願え……いや、何を誓えば良いのだろうか?」



 男が初めて零したのは、血を吐くような言葉だった。

 包帯で覆われた顔でありながら、明確なまでに映る苦悩が見える。

 少女はその姿に一瞬返答に詰まった。

 自分にまで及ぶ苦しさが、男から伝わってくるからこそ…………。



「其方は堅いな……いや、真面目すぎる」



「吾も……志貴≠フように考えられれば良いのだが、な」



「同じ人間なのに違うというのは、難儀だな。七夜=v



「志貴≠ニ同じ観点で見れれば良いのだが………吾には不可能なことだ。吾に感情は無いからな」



 男の声音が、また平淡なものに戻った。

 それに、少女は顔を俯かせる。男に見せない顔には、複雑な感情が浮かんでいる。

 哀しんでいるようで、嘆いているようで、それでいて悦んでいるような……複雑な感情。

 しかし、浮かべていた感情を消して男に手を伸ばす。

 森の中でそうしたように…………だが、少女の細い手が行く先は男の襟では無かった。



「止めろ」



 男の手が、いつの間にか少女の手首を掴んでいた。

 少女の指先が行こうとしていたのは、男に眼帯のように巻かれた包帯………。

 それを止めた男の手は、僅かに震えていた。



「それを外せば、吾≠ナも抑えが効か無くなるかもしれない」



――――かもしれない………けれど、大丈夫かもしれない!」



 少女の力が強いのか、次第に細く白い指が、男の包帯へと近付く。

 流石に男も焦ったように言葉を作る。



「何を莫迦な………! 子供のような夢≠ネど見るな!!」



「何故!? 何故希望≠持たない!!

 其方……七夜≠熈志貴≠ナすら未来に希望≠持たない!?」



「志貴≠ゥら聞かなかったか!? (オレ)≠熈俺≠IF(もしも)の話は好きでは無いと!!」



 激昂が激昂を呼ぶ。静かだった教会は、二人の意気に引き摺られて変わる。



「大体、急に何だと言うのだ? アルトルージュ=c…汝らしくも無い!」



「らしく無い? らしく無いとは何だ!?」



「汝がそのように声を荒げ、子供のように駄々を捏ねる様子だ!」



 少女の指が、遂に包帯へ掛かる。

 マニキュアで化粧された爪が包帯を引っ掻き、その奥から堅く目蓋を閉じた眼が覗く。

 しかし、まだ完全に包帯が取れたわけでは無い。

 微かに包帯がズレて、右目が辛うじて見える程度だ。



「正気か、アルトルージュ!?

 子供のような下らん希望≠ェ赦されるほど、(オレ)の衝動≠ヘ軽くないのだぞ!!」



 今までで一番の叫びが、男から放たれる。

 しかし、純粋な力では少女に勝てない男は、少女の行為を完全には防ぎきれない。

 少女の表情も意固地なものになっていて、今までの大人びた雰囲気は霧散していた。



「だが、彼奴(アヤツ)≠ノはその力を向けないではないか!!」



 心を突くような少女の叫びが、男の抵抗を奪い去った。

 伸びた少女の手が包帯を掴み、後は手を引くだけで包帯は取れるだろう。

 だが、少女は動きをそこで止めた。

 男も少女を振り払うような真似をせず、動きを止めて少女と顔を向き合わせている。



「そうだな…………確かに(オレ)≠ナあっても俺≠ナあっても真祖の姫≠殺したのは、嘗て一度のみ」



 少女の手を掴んでいた男の手が、静かに離れる。

 同時に少女の手にも力が抜けたように下へと落ちる。包帯と共に。



「こうやって近くで見せるのは初めてか………」



 堅く閉ざされていた目蓋が、ゆっくりと開く。

 遂に露になった男の両目は、罅割れ、蒼褪めた月のような色を宿している。

 しかし、男の両目が与える印象は、そんな外見的な要素などでは無い。

 ただ内に秘めた力≠ェ、鮮烈で……怖気が奔るような気配を伝えて来る。死≠ニいう気配を。



「いつ見ても、綺麗ね…………」



 陶酔したように呟く少女は、手で男の頬を押さえて覗き込んでいる。

 森の中のように鼻先が触れ合いそうな距離にあり、少女は魅入られたように男の目を見ていた。

 神すら嫉妬しかねない造詣を持つ少女の顔が間近にあっても、男は苦悩したように眉間に皺を寄せている。



「………満足したか? ならば戻させて貰うぞ」



 男は少女が持つ包帯へと手を伸ばすが、少女はそれを腰の後ろへやって隠す。



「アルトルージュ=v



「良いでは無いか。彼奴≠ニ同じように、妾も大丈夫なのだから」



 咎めるような言葉にも、少女は弾けるほどの笑みで答える。

 男はそれを半目で見やり、溜息を一つ。口を僅かに開けた。



「あ…………」



 男が口を開けた途端、口の端から滴ったのは真紅の液体……血液だ。

 少女の位置からでも辛うじて見える舌から流れ出た血が、口から零れ出ている。

 何故こうなったか……そんなことは聞くまでも無い。自分で噛み切ったのだ。



「悪いが、躰の震えを抑えるのには多大な体力を消費するのでな」



「………………すまない」



 男は自分の何かを抑えるために、自分で自分の舌を噛み切ったのだ。

 しかも目前に居る少女に気付かれないよう、表情を一つ変えないままに。

 恐るべき自制心といえるだろう。

 そして少女は謝罪を一つ。今までの笑顔が無くなり、奪っていた包帯を怖ず怖ずと差し出す。

 男の意識が、包帯へと向く。その時だ。



「ッ!」



 少女の紅いルージュが引かれた唇が、一気に男へと近付く。

 男の口元から流れ出た血へと近付き、唇から出した舌で舐め取った。



「フフ………油断大敵だ」



「………アルトルージュ=v



 男が呆れたように声を漏らしたが、少女は味わうように血を嚥下することに集中している。

 声を掛けることを諦めた男は、包帯を元通り巻くことに没頭する。

 少しの間が開き、少女が満足げな吐息を漏らした。



「美味しいな、七夜=@其方の血は」



「…………全く。初めからこれが狙いだったのか?」



 最早呆れを隠さない男の顔を見て、少女はくつくつと人の悪い笑みを浮かべた。

 そして、少女は男を改めて見上げて、



「七夜≠ヘ嘘吐きだ」



 少女から、笑みは消えていた。



「感情が無い? 妾を殺すまいと抵抗したのも、妾の行為に呆れているのも、演技だと言い張るか?」



「……………………」



 問い掛けに対する答えは、沈黙だった。

 男は包帯の下で能面のような無表情を作り、そして沈黙している。



「七夜=c……どうして、そうまでして自らの心を抑えるのだ?

 確かに其方が表に出た理由は、殺す≠アとだったかもしれない。だが……だが、其方は
――――!」



 少女の言葉を遮るように、男は手と手を叩き合せた。言うなれば、拍手だろう。

 しかし、その動きは2〜3回手を叩いて終わった。

 男の手は合わせたまま………つまり、合掌≠フまま動きを止めている。



「な、なんだ急に……拍手(はくしゅ)などして」



「学が足りないな、アルトルージュ=@これは拍手(かしわで)≠ニいうのだ」



「カシワデ=H」



 キョトンと小首を傾げる少女に対し、男は言葉を作る。



「そうだ。日本では、神仏を拝む時はこうする。

 普通は寺社するものだが………この程度の作法の違いを気にするほど、神は狭量ではあるまい」



「む………では、何かを誓ったのか?」



 少女の問い掛けは、声質からも聞きたそうな雰囲気がある。

 だが、男は口の端を吊り上げて、



「あぁ。…………教えてやらんが」



「む…………」



 不満そうな気配が、少女から伝わってくる。

 少女は男からは聞き出せないことを悟ったのか、不機嫌そうに靴音を響かせて教会を後にしようとする。


 そんな少女の耳元で、男はたった一つだけ教えた。



「真祖の姫≠フ前に行くと、困ったことに殺したくなる」



「え?」



 唖然とした少女は、思わず動きを止めていた。

 しかし、新たに生まれる動きがある。

 男が歩き始めたのだ。何も見えない筈の状態で、何の迷いも無く歩き始めた。

 暫し呆然としたまま、少女は目で男を追い、そして急に笑みを作る。

 それは今までには無い…………少女の笑みだった。

 そして彼女は男の背を追って歩き始めた。決して彼を、見失わないように……………。










……………年が巡り、始まった時……………

……………少女と男が、誓った日に……………











後書き

 さぁ、既に三が日も過ぎてしまったのに初詣の話とはどういう了見だ、私。orz

 それにしても、またしても小難しいものを書いて…………分かり難いにも程があるなぁ。(汗

 大体、前提が「月姫2」のアルクェイドのトゥルーエンドって辺りで、ツッコミどころ満載ですしね。(苦笑

 では、100%必要な補足などでも。

 まずカップリングとしては、アルクェイド×志貴(七夜)←アルトルージュという構図です。

 アルクェイドは、刻一刻と衝動≠ノ呑まれて行き、それは同時に『朱い月』へ近付いている訳です。

 よってアルクェイドはアルトルージュの城に封印され、進行を抑えていますが………時間の問題。

 アルトルージュはアルクェイドを護ることを決め、教会と協会を敵に回しています。死徒二十七祖は基本的に傍観。

 そして志貴君は、二重人格に近い状態になってます。

 彼の目にある直死の魔眼≠ェ力を増した所為で、魔眼殺し≠フ眼鏡はやめて、聖骸布≠フ包帯になってます。

 それでも戦闘で使う場合を考え出来たのが、七夜≠ニいう人格です。

 人格といっても、志貴とは全てを共有しているので、感情をコントロール出来るかどうかの違いです。

 基本的に七夜≠ヘ自分に感情が無い、という自己暗示の下で成り立ってます。だから、人間も躊躇無く殺せるのです。

 後で志貴に戻った時、途轍もなく自己嫌悪に陥りますが………これが彼の選んだ処世術でした。

 うん、まぁこんなところでしょうか。気が向けば、春に続きが出るかも………。(マテ